南極大陸
地球上に残った最後の秘境、南極。
〜果たして一般の旅行者は行くことができるのか?
 

あなたは、南極のことについてどれだけのことを知っていますか?
ペンギン、オーロラ、氷原、そして南極越冬隊員などを頭に浮かべた人が多いと思います。
さて、この南極に観光ツアーで行けるのをご存知ですか?
今回は、このツアーに参加されましたはこうじくんにお話をお伺いしたいと思います。

 1    南極に行かれたとお聞きいたしましたが、一般の旅行者でも行けるのですか?
意外と知られていないのですが、大手の旅行代理店でも扱っております。南極が夏を迎える12月〜2月にかけてのみの出発となります。費用的にはかなりの高額(比較的安いツアーでも70万円は必要)ですので、「ちょっと南極までペンギンを見に行ってきます」という風にはならないのですが、お金さえ準備すれば誰でも南極の地を踏むことが出来ます。

 2    ツアーが出ているのですね。確か、南極にはホテルは無かったと思いますが、何処に泊まるのですか?
南極ヒルトンとか、帝国ホテル南極なんて聞いたことが無いですよね。南極条約というものがあって、その様な商業施設は建設できないことになっているようです。条約が無くても、維持できるだけの需要があるとは思えませんが。少し話題が逸れてしまったようです。宿泊や食事は全て旅行会社がチャーターしている客船の中でします。ですから、南極観光では、どんな船で行くかが、快適な旅になるかどうかの大きなポイントとなります。

 3    いつ行かれたのですか?
’98年1月1日出発のLOOK JTB特別企画「マルコポーロ号で行く白いロマン南極クルーズ14日間」というツアーに参加しました。ツアー料金は、船室のレベルによって違ってきますが、私が申し込んだデラックスクラスの船室では一人当たり110万円でした。

 4    なぜ行きたいと思われたのですか?
実は新婚旅行で行ったんですよ。
かなり前から漠然と行ってみたいと思っていたのですが、真剣に考え始めたのは、’96年にペルーに行ってからですね。これで南極大陸に行けば六大陸制覇できるぞって。単純ですね。(笑)

 5    新婚旅行ですか。新婦の方は異議を唱えなかったですか?
スイス、カナダ、ニュージーランドなどの観光地やフィジーやモルジブなどのリゾート地を考えていたようです。そんな時に、南極に行きたいと行ったものですから、ちょっとびっくりしていましたね。でも、本人も小さい時からペンギンを見に南極へ行きたいと思っていたようで、あっさり決定しました。何も新婚旅行で行かなくてもという気持ちはあったようですが。
 

 6    実際に行かれてみて、印象は如何でしたか?
遠かったですね。成田からミネアポリス乗り継ぎでマイアミへ。そこで一泊した後、チャーター機でブエノスアイレス経由して南米大陸の果てにあるウシュアイア着。飛行時間だけで24時間。ここから、南極大陸の先端(南極半島)まで丸1日。南極に到達するまで4日間を費やします。

 7    そこまでしても行く価値は有りましたか?
はい。初めて流氷を見たとき。初めてペンギンを見たとき。そして、南極大陸に上陸した瞬間は感動ものでしたね。
 
 
初めての見た流氷→

 8    どのような方々が参加されていましたか?
南極クルーズは世界各国の人たちが参加しており、全部で約400名。その内日本人は40名ほどで、やはりアメリカ人が一番多く半数近くを占めておりました。
JTBからの参加者は、私たちを含めて13人でした。極地でなおかつツアー代金もお安くないこともあり、会社経営者、大学教授(それも医学部)、歯医者など、比較的お金持ちが多かったですね。これは、日本人に限らずこのクルーズに参加している人たちにも言えることですが。
 

 9    南極というと、いろいろなイメージは持っているのですが、具体的には、あまり知られていないですよね
では、南極大陸の話をしましょう。南極大陸の面積は1248万平方キロメートルで、日本の面積の約34倍、我がマンションの敷地の実に7億3千万倍もあります。その大きさはオーストラリア大陸よりも大きいのです。
そして、この南極大陸は日本人が六大陸の中で唯一パスポート無しで訪れることのできる場所です。といっても、日本からの直行便は無いので、結局は必要ですが。

 10    次にクルーズ船について、もう少し詳しく教えてください。
南極のクルーズには漁船に毛が生えたものから本格的なクルーズ船まで実にさまざまな船が出ております。我々が乗船したのは当季の南極クルーズでは最大のマルコポーロ号(ハバナ船籍)で、2万トン、定員数800名の大型デラックス船でした。日ごろは地中海クルーズなどで活躍しているようです。もちろんプールやカジノ、シアターなど施設も充実しておりました。飛鳥が3万トンですからどのような客船か想像できると思います。

 11    そうすると南極までの船旅は快適でしたね
そうですね。船内ではウェルカムレセプションなどの各レセプション、ダンス教室、ミュージカルショー、映画上映のほか、南極に関する講義などが行われ充実したクルーズが楽しめました。日々のイベントなどは毎朝配布される船内新聞で確認できます。また、食事なども充実しており、一流ホテルでの食事といった感じでした。カリブ海やエーゲ海クルーズなどとあまり変わらないのでは無いでしょうか。

 12    なかなか充実した船旅のようですね。ところで、言葉の問題はありませんでしたか?
ハッハァ!!僕の英語力は小学生レベルですからね。でも大丈夫でした。船内新聞は日本語版があり、レクチャなどはちゃんと通訳が付きましたから。
船のことはこれぐらいにして、南極の話に戻りましょうか。

 13    いよいよ南極大陸に上陸ですね?
いえいえ、まだ南極大陸には上陸しません。ます、最初に上陸したのはデセプション島です。上陸に当たっては、指定の防寒具である赤いパルカ及びゴム長靴を着用します。また、南極大陸や周辺の島には大型客船が停泊できるような大きな桟橋はありませんので、陸地の近くまでいってから、小型船舶に乗り換えて上陸することになります。
この小型船舶がゾディアックと呼ばれているもので、ちょっと大き目のゴムボートです。

 14    デセプション島には温泉があると聞いたことがありますが。
よくご存知ですね。最南端の温泉地として有名なようですが、今回行くまで知りませんでした。ただ、温泉といっても、海岸に流れ込む熱湯と冷たい海水が混ざるところに浸かるという程度です。まさに熱くて冷たい温泉でした。でも、南極でペンギンといっしょに温泉なんて温泉通には夢ではないでしょうか。でも、ペンギンとはいっしょに入れませんが。
デセプション温泉→

 15    ようやく南極大陸に上陸ですか?
まぁーあせらない、あせらない。なんと言っても最後の秘境、南極大陸ですから。次の日はルメール海峡とポートロックロイへの上陸です。ルメール海峡は南極半島でもっとも雄大な場所です。雪に覆われた岩が眼前に迫り非常に迫力と雄大さを感じる場所でした。この場所で乗客全員の集合写真を撮ったことからも、この場所が如何に素晴らしいかが推測できます。
 

 16    南極イコールペンギンというイメージですが、なかなかお話に出てきませんね。
次にお話するポートロックロイには、ゼンツーペンギンの営巣地があります。ここで初めて野生のペンギンを目の当たりにすることになります。動物園のペンギンと違い、必死に生きているペンギンを見ることができました。本当に生き生きしていましたね。股下5センチの体でヨチヨチ歩く姿。一生懸命えさをねだる雛たち、そしてその雛を狙う盗賊カモメ。そこには大自然の営みがあります。まぁー理屈を抜きとしても、可愛かったなぁ。



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